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新法考察14(暗号化装置使用による通信管理者の常時立会い・封印を不要とする制度の導入【H31.6までに施行】)

通信傍受法2条

4 この法律において「暗号化」とは,通信の内容を伝達する信号,通信日時に関する情報を伝達する信号その他の信号であって,電子計算機による情報処理の用に供されるもの(以下「原信号」という。)について,電子計算機及び変換符号(信号の変換処理を行うために用いる符号をいう。以下同じ。)を用いて変換処理を行うことにより,当該変換処理に用いた変換符号と対応する変換符号(以下「対応変換符号」という。)を用いなければ復元することができないようにすることをいい,「復号」とは,暗号化により作成された信号(以下「暗号化信号」という。) について,電子計算機及び対応変換符号を用いて変換処理を行うことにより,原信号を復元することをいう。

通信傍受法20条

1 検察官又は司法警察員は,裁判官の許可を受けて,通信管理者等に命じて,傍受令状の記載するところに従い傍受の実施をすることができる期間(前条の規定により傍受の実施を終了した後の期間を除く。)内において検察官又は司法警察員が指定する期間(当該期間の終期において第18条の規定により傍受の実施を継続することができるときは,その継続することができる期間を含む。以下「指定期間」という。)に行われる全ての通信について,第9条第一号の規定により提供された変換符号を用いた原信号(通信の内容を伝達するものに限る。)の暗号化をさせ,及び当該暗号化により作成される暗号化信号について一時的保存をさせる方法により,傍受をすることができる。この場合における傍受の実施については,第13条の規定は,適用しない。

2 検察官又は司法警察員は,前項の規定による傍受をするときは,通信管理者等に命じて,指定期間内における通話の開始及び終了の年月日時に関する情報を伝達する原信号について,同項に規定する変換符号を用いた暗号化をさせ,及び当該暗号化により作成される暗号化信号について一時的保存をさせるものとする。

3 検察官又は司法警察員は,第1項の規定による傍受をするときは,次条第7項の手続の用に供するため,通信管理者等に対し,同項の手続が終了するまでの間第1項の規定による傍受をする通信の相手方の電話番号等の情報を保存することを求めることができる。この場合においては,第17条第2項後段の規定を準用する。

4 通信管理者等が前項の電話番号等の情報を保存することができないときは,検察官又は司法警察員は,これを保存することができる通信事業者等に対し,次条第7項の手続の用に供するための要請である旨を告知して,同項の手続が終了するまでの間これを保存することを要請することができる。この場合においては,第17条第3項後段の規定を準用する。

5 検察官及び司法警察員は,指定期間内は,傍受の実施の場所に立ち入ってはならない。

6 検察官及び司法警察員は,指定期間内においては,第1項に規定する方法によるほか,傍受の実施をすることができない。

7 第1項の規定による傍受をした通信の復号による復元は,次条第1項の規定による場合を除き,これをすることができない。

通信傍受法21条

1 検察官又は司法警察員は,前条第1項の規定による傍受をしたときは,傍受の実施の場所(指定期間以外の期間における傍受の実施の場所が定められているときは,その場所) において,通信管理者等に命じて,同項の規定により一時的保存をされた暗号化信号について,第9条第一号の規定により提供された対応変換符号を用いた復号をさせることにより,同項の規定による傍受をした通信を復元させ,同時に,復元された通信について,第3項から第6項までに定めるところにより,再生をすることができる。この場合における再生の実施(通信の再生をすること並びに一時的保存のために用いられた記録媒体について直ちに再生をすることができる状態で一時的保存の状況の確認及び暗号化信号の復号をすることをいう。以下同じ。) については,第11条から第13条までの規定を準用する。

2 検察官又は司法警察員は,前項の規定による再生の実施をするときは,通信管理者等に命じて,前条第2項の規定により一時的保存をされた暗号化信号について,前項に規定する対応変換符号を用いた復号をさせることにより,同条第2項の規定により暗号化をされた通話の開始及び終了の年月日時に関する情報を伝達する原信号を復元させるものとする。

3 検察官又は司法警察員は,第1項の規定による復号により復元された通信のうち,傍受すべき通信に該当する通信の再生をすることができるほか,傍受すべき通信に該当するかどうか明らかでないものについては,傍受すべき通信に該当するかどうかを判断するため,これに必要な最小限度の範囲に限り,当該通信の再生をすることができる。

4 検察官又は司法警察員は,第1項の規定による復号により復元された通信のうち,外国語による通信又は暗号その他その内容を即時に復元することができない方法を用いた通信であって,再生の時にその内容を知ることが困難なため,傍受すべき通信に該当するかどうかを判断することができないものについては,その全部の再生をすることができる。この場合においては,速やかに,傍受すべき通信に該当するかどうかの判断を行わなければならない。

5 検察官又は司法警察員は,第1項の規定による復号により復元された通信の中に,第15条に規定する通信があるときは,当該通信の再生をすることができる。

6 第16条の規定は,第1項の規定による復号により復元された通信の再生をする場合について準用する。

7 検察官又は司法警察員は,前条第1項の規定による傍受をした通信について,これが傍受すべき通信若しくは第5項の規定により再生をすることができる通信に該当するものであるとき,又は第3項若しくは第4項の規定による傍受すべき通信に該当するかどうかの判断に資すると認めるときは,同条第3項の規定による求め又は同条第4項の規定による要請に係る電話番号等のうち当該通信の相手方のものの開示を受けることができる。この場合においては,第17条第1項後段の規定を準用する。

8 第1項の規定による再生の実施は,傍受令状に記載された傍受ができる期間内に終了しなかったときは,傍受令状に記載された傍受ができる期間の終了後できる限り速やかに,これを終了しなければならない。

9 第1項の規定による再生の実施は,傍受の理由又は必要がなくなったときは,傍受令状に記載された傍受ができる期間内であっても,その開始前にあってはこれを開始してはならず,その開始後にあってはこれを終了しなければならない。ただし,傍受の理由又は必要がなくなるに至るまでの間に一時的保存をされた暗号化信号については,傍受すべき通信に該当する通信が行われると疑うに足りる状況がなくなったこと又は傍受令状に記載された傍受の実施の対象とすべき通信手段が被疑者が通信事業者等との間の契約に基づいて使用しているものではなくなったこと若しくは犯人による傍受すべき通信に該当する通信に用いられると疑うに足りるものではなくなったことを理由として傍受の理由又は必要がなくなった場合に限り,再生の実施をすることができる。

通信傍受法22条

1 通信管理者等は,前条第1項の規定による復号が終了したときは,直ちに,第20条第1項の規定により一時的保存をした暗号化信号を全て消去しなければならない。前条第2項の規定による復号が終了した場合における第20条第2項の規定により一時的保存をした暗号化信号についても,同様とする。

2 検察官又は司法警察員は,前条第1項の規定による再生の実施を終了するとき又は同条第9項の規定により再生の実施を開始してはならないこととなったときに,第20条第1項及び第2項の規定により一時的保存をされた暗号化信号であって前条第1項及び第2項の規定による復号をされていないものがあるときは,直ちに,通信管理者等に命じて,これを全て消去させなければならない。

通信傍受法23条

1 検察官又は司法警察員は,裁判官の許可を受けて,通信管理者等に命じて,傍受の実施をしている間に行われる全ての通信について,第9条第二号イの規定により提供された変換符号を用いた原信号(通信の内容を伝達するものに限る。)の暗号化をさせ,及び当該暗号化により作成される暗号化信号を傍受の実施の場所に設置された特定電子計算機に伝送させた上で,次のいずれかの傍受をすることができる。この場合における傍受の実施については,第13条の規定は適用せず,第二号の規定による傍受については,第20条第3項及び第4項の規定を準用する。

一 暗号化信号を受信するのと同時に,第9条第二号ロの規定により提供された対応変換符号を用いて復号をし,復元された通信について,第3条及び第14条から第16条までに定めるところにより,傍受をすること。

二 暗号化信号を受信するのと同時に一時的保存をする方法により,当該暗号化信号に係る原信号によりその内容を伝達される通信の傍受をすること。

2 前項に規定する「特定電子計算機」とは,次に掲げる機能の全てを有する電子計算機をいう。

一 伝送された暗号化信号について一時的保存の処理を行う機能

二 伝送された暗号化信号について復号の処理を行う機能

三 前項第一号の規定による傍受をした通信にあってはその傍受と同時に,第4項の規定による再生をした通信にあってはその再生と同時に,全て,自動的に,暗号化の処理をして記録媒体に記録する機能

四 傍受の実施をしている間における通話の開始及び終了の年月日時,前項第一号の規定による傍受をした通信の開始及び終了の年月日時,第4項の規定による再生をした通信の開始及び終了の年月日時その他政令で定める事項に関する情報を伝達する原信号を作成し,当該原信号について,自動的に,暗号化の処理をして前号の記録媒体に記録する機能

五 第三号の記録媒体に記録される同号の通信及び前号の原信号について,前二号に掲げる機能により当該記録媒体に記録するのと同時に,暗号化の処理をすることなく他の記録媒体に記録する機能

六 入力された対応変換符号(第9条第二号ロの規定により提供されたものに限る。)が第二号に規定する復号以外の処理に用いられることを防止する機能

七 入力された変換符号(第9条第二号ロの規定により提供されたものに限る。)が第三号及び第四号に規定する暗号化以外の処理に用いられることを防止する機能

八 第一号に規定する一時的保存をされた暗号化信号について,第二号に規定する復号をした時に,全て,自動的に消去する機能

3 検察官及び司法警察員は,傍受令状に第1項の許可をする旨の記載がある場合には,同項に規定する方法によるほか,傍受の実施をすることができない。

4 検察官又は司法警察員は,第1項第二号の規定による傍受をしたときは,傍受の実施の場所において,同号の規定により一時的保存をした暗号化信号について,特定電子計算機(第2項に規定する特定電子計算機をいう。第6項及び第26条第1項において同じ。)を用いて,第9条第二号ロの規定により提供された対応変換符号を用いた復号をすることにより,第1項第二号の規定による傍受をした通信を復元し,同時に,復元された通信について,第21条第3項から第6項までの規定の例により,再生をすることができる。この場合における再生の実施については,第11条,第12条及び第21条第7項から第9項までの規定を準用する。

5 第1項第二号の規定による傍受をした通信の復号による復元は,前項の規定による場合を除き,これをすることができない。

6 検察官又は司法警察員は,第1項第二号の規定により一時的保存をした暗号化信号については,特定電子計算機の機能により自動的に消去されるもの以外のものであっても,第4項の規定による再生の実施を終了するとき又は同項において準用する第21条第9項の規定により再生の実施を開始してはならないこととなったときに,第4項の規定による復号をしていないものがあるときは,直ちに,全て消去しなければならない。

通信傍受法26条

1 第23条第1項の規定による傍受をしたときは,前2条の規定にかかわらず,特定電子計算機及び第9条第二号ロの規定により提供された変換符号を用いて,傍受をした通信(同項第二号の規定による傍受の場合にあっては,第23条第4項の規定による再生をした通信。以下この項及び次項において同じ。) について,全て,暗号化をして記録媒体に記録するとともに,傍受の実施をしている間における通話の開始及び終了の年月日時,傍受をした通信の開始及び終了の年月日時その他政令で定める事項について,暗号化をして当該記録媒体に記録しなければならない。

2 前項の場合においては,第29条第3項又は第4項の手続の用に供するため,同時に,傍受をした通信及び前項に規定する事項について,全て,他の記録媒体に記録するものとする。

3 第23条第1項の規定による傍受の実施(同項第二号の規定によるものの場合にあっては,同条第4項の規定による再生の実施)を中断し又は終了するときは,その時に使用している記録媒体に対する記録を終了しなければならない。

4 第1項の規定により記録をした記録媒体については,傍受の実施の終了後(傍受の実施を終了する時に第23条第1項第二号の規定により一時的保存をした暗号化信号であって同条第4項の規定による復号をしていないものがあるときは,再生の実施の終了後),遅滞なく,前条第4項に規定する裁判官に提出しなければならない。

 

従来は,通信管理者等の常時立会いの下,捜査官がリアルタイムで通信を傍受することとされていましたが,本改正により,①通信管理者等に,当該通信手段を用いて行われたすべての通信を一時的に保存させた上,その後,通信管理者等の立会いの下に視聴する方法,②通信管理者等に,すべての通信を警察署等に伝送させた上,ア.立会いなしに受信と同時に視聴する方法,イ.受信して一次的保存をし,その後,立会いなしに視聴する方法,でも良いことになります。

通信管理者等の常時立会いが不要となり,捜査官がリアルタイムで通信を傍受する必要もない分,濫用の危険が増大しますので,弁護士としては,これまで以上に厳重なチェックをしていく必要があります。(末原)

 
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