地方裁判所の判決に不合理な点があることを,高等裁判所に認めさせようとするのが控訴,高等裁判所の判決に不合理な点があることを,最高裁判所に認めさせようとするのが上告です。
ですので,地裁や高裁の判決のここがこうおかしい,という主張を,いかに説得的に展開し,原判決を破棄させるかが,控訴や上告において最も重要です。
控訴審では,事実取調べ請求という形で,証拠の追加提出が一部認められており,例えば,地裁判決後に示談が成立した場合,高裁に示談書等を提出すると,実刑判決が破棄されて執行猶予判決に変わることがあります。
ただし,第一審で提出し得た証拠の追加提出はまず認められないことに注意が必要です。
一方,上告審では,証拠の追加提出は認められておらず,上告の理由も,憲法違反や判例違反に限られていますので,控訴審以上に厳しい戦いを強いられます。
控訴申立書や上告申立書を提出後,しばらくすると控訴趣意書や上告趣意書の提出期限が定められ,期限までに書面を提出することになりますが,弁護士が裁判資料を徹底的に読み込み,相当強力な書面を書き上げなければ,高裁や最高裁に一蹴されて終わってしまうのが控訴・上告です。
弁護士の技量が非常に要求されるところで,経験豊富な弁護士に依頼することが必要不可欠です。