裁判官や検察官と,弁護士の本質的な違いの1つは,「経営」というところにあると思います。
社会正義を追求するのは弁護士も同じですが,一方で,従業員や自分自身の生活を守ることも求められます。
拝金主義に陥ることは,弁護士としての品位を害するものであり,断固回避しなければなりませんが,だからといって,何もかもボランティアというわけにもいきません。
このようなジレンマを抱えながらも,うまく折り合いをつけながら仕事に取り組むことが,弁護士を含む士業の本質ではないかと思っています。
弁護士の仕事も多様化が進んでおり,大規模事務所で会社員のように働いている人もいれば,実際に企業内弁護士(インハウスローヤー)として会社に勤めている人,準公務員として公的機関に勤めている人もいます。
様々な社会貢献の形があるのは良いことだと思いますが,個人的には,いつか何らかの形で「経営」にも携わりたい,という方にこそ,弁護士という仕事をお勧めしたいところです。(末原)